サービス付き⾼齢者向け住宅とは
はじめに
サービス付き⾼齢者向け住宅とは、高齢者の1人暮らしや、夫婦が安心して居住できる賃貸住宅のことです。
高齢になるにつれて、身体の衰えや認知の低下による精神不調の不安を高齢者自身だけではなく、ご家族も感じるのではないでしょうか。
サービス付き⾼齢者向け住宅は、居住者の安否確認も含めた生活状況の把握や生活上の悩みに対する相談サービスを受けることができます。
さらに、住宅環境はバリアフリー構造で、生活のための設備が整っているため安全、安心な日常生活を送ることができます。
サービス付き⾼齢者向け住宅の特徴とは
サービス付き⾼齢者向け住宅の特徴は3つあります。
バリアフリー構造である、自由度の高い生活を過ごせる、入居者に合った施設を選びやすいことです。これらを詳しくご紹介します。
バリアフリー構造である
高齢者が歩きやすいように段差のないバリアフリー環境が整っています。さらに廊下やトイレ、お風呂場などには手すりが設置されており、転倒のリスクを防ぐ住居環境となっています。
十分な広さの居住スペースの確保やキッチン、浴室など身の回りの必要な設備があり、不自由のない生活を送ることができます。
自由度の高い生活を過ごせる
買い物へ出かけたり、料理を作るなど自由に行うことができます。
そのため、もともとの自宅の生活に近い形で過ごせます。入居後は新しい環境での生活となりますが、スムーズに始めることができます。
入居者に合った施設を選びやすい
サービス付き⾼齢者向け住宅は年々増加しており、比較的入居しやすい傾向にあります。
さらに、入居金が無料なので費用を安く抑えることもできますし、施設ごとによって様々なサービスが利用できます。
施設の選択肢も多く、入居者自身に合った施設を選ぶことができます。
サービス付き⾼齢者向け住宅の⼊居条件について
入居者の条件として、60歳以上の高齢者または、要介護認定を受けた60歳未満の方が対象です。
対象者に応じて入居できる施設は「一般型」と「介護型(特定施設)」に分けられます。
一般型の施設の場合は、ほとんど自立をされている方が入居できます。
介護型の施設の場合は、介護を必要とする、または認知症の方が入居できます。
介護型の施設は、介護付有料老人ホームと同様の運営基準を満たしているので、要介護者や認知症の方も入居できます。
一般的なサービス付き⾼齢者向け住宅の入居条件
一般型施設 | 介護型施設 | |
介護度 | 要支援1〜2 要介護1〜2 | 要介護1〜5 |
認知症 | 不可 | 可 |
一般的な入居条件をまとめましたが、施設によって入居条件が全く違います。
例えば、感染症にかかっていない、自立的に身の回りのことができる範囲や介護度について、施設独自の入居条件がありますので、必ず確認をしましょう。
同居者の入居条件については以下の通りです。
・入居者の配偶者(届出はしていないが事実上の夫婦と同様の関係にある者を含む)
・60歳以上の親族
・要支援・要介護認定を受けている親族
・特別な理由により同居させる必要があると知事が認める者
サービス付き⾼齢者向け住宅のサービス
一般的に受けられる必須なサービスは、安否確認も含めた生活状況の把握サービスと生活相談サービスがあります。
生活状況の把握サービス
安否確認も含めた居住者の生活状況の把握をするサービスです。
日中は施設スタッフが常駐しており、居住者を訪問して身体的、精神的な変化がないかを確認します。異常があればすぐに対応してくれるので、居住者の安全だけでなく、ご家族も安心できます。
生活相談サービス
居住者の生活上の悩みをケアの専門家に相談できるサービスです。
身体的、精神的な悩みや生活上の不安を相談することで、必要なサポートを受けられ、問題を解決することができます。
心配ごとを抱え込まずに日常生活を安心して過ごせます。
サービス付き⾼齢者向け住宅によって、他にも様々なサービスをオプションとして利用できます。食事提供サービスや買い物代行などの生活支援サポート、緊急時対応サービス、介護サービス、看取りサービスなどがあります。
サービス付き⾼齢者向け住宅の⼈員配置について
一般型の施設の人員配置基準は、日中の時間帯にケアの専門家であるスタッフの常駐が義務づけられています。
ケアの専門家は以下の通りです。施設によって常駐スタッフは違います。
・養成研修修了者 ・社会福祉法人・医療法人・指定居宅サービス事業所等の職員 ・ 医師 ・看護師 ・准看護師 ・介護福祉士 ・社会福祉士 ・介護支援専門員 |
ケアの専門家が状況把握サービスと生活相談サービスを提供します。
夜間の常駐はありませんが、何かあれば対応できるよう施設側は義務付けられています。
特定型施設の人員配置基準は、以下の通りです。
人員の職種 | 配置基準 | 備考 |
管理者 | 原則専従1名 | |
生活相談員 | 1名以上の常勤 | 入居者:生活相談員 =100:1 |
介護職員 | 1名以上の常勤 | 介護度により変動あり |
看護職員 | 1名以上の常勤 | |
機能訓練指導員 | 1名以上 | 理学療法士など |
ケアマネージャー | 1名以上 |
介護職員または看護職員が24時間常駐しています。
サービス付き⾼齢者向け住宅の⼊居費⽤、⽉額費⽤
サービス付き⾼齢者向け住宅(サ高住)では、入居金が無料です。
初期費用は敷金と、月額で賃料・光熱費・サービス料などがかかります。
敷金は、前払いとして2〜3ヵ月分を支払う場合があります。
介護サービスが受けられる特定型の施設では料金が高くなる傾向にあります。
一般的な入居費用は以下の通りです。
サ高住の一般型の施設 | サ高住の特定型の施設 | 有料老人ホーム | |
初期費用(入居費) | 無料 | 無料 | 無料 |
初期費用(敷金) | 15〜50万円 | 15〜50万円 | なし |
月額費用 | 10〜30万円 | 15〜40万円 | 15〜28万円 |
設備の良さや利用するサービスで料金が変動しますので、各施設によって料金の設定を確認することは必須です。
サービス付き⾼齢者向け住宅の良い点と悪い点
入居する前に、サービス付き⾼齢者向け住宅の良い点、悪い点を知っておきましょう。
サービス付き⾼齢者向け住宅の良い点
安心した生活環境で暮らせる
高齢者が生活しやすいようなバリアフリー構造、施設スタッフによる安否確認サービス、相談できる窓口があることで安心して過ごすことができます。
入居のしやすさ、退去させられにくい
要介護の低い、ほぼ自立している方でも入居することができ、初期費用が安く抑えられることで入居しやすいです。
退去時は入居者の同意なく、一方的に契約解除をすることができないため、突然の退去の心配はありません。
サービス付き⾼齢者向け住宅の悪い点
要介護度が高いと入居できない
入居する方の介護の必要な程度によって入居できる施設が限られます。 さらに、入居時は自立していたが、入居中に体調不調で要介護が高くなった場合には退去しなければならない場合があります
サービス付き⾼齢者向け住宅を選ぶ時のポイントと注意点
施設選びの際のポイントと注意点は、施設の立地、施設の設備やサービス内容の情報収集、実際に見学を行うことです。
施設の立地
施設が生活の拠点となるので、周辺環境が整っている、アクセスしやすい場所であるほど生活が便利です。
ポイントとしては、スーパーなど買い物する施設、病院や銀行などが通いやすい範囲にあることです。
駅が近いなどアクセスが良いと、家族や友人も訪問しやすくなります。
施設の情報収集
施設探しには「サービス付き⾼齢者向け住宅情報提供システム」を使うと便利です。
全国のサービスも含めた施設の運営内容や設備状況について簡単に知ることができます。
施設によって受けられるサービスが違うため、施設の情報収集は必ず行いましょう。
施設の見学
サービス付き⾼齢者向け住宅は種類豊富なので、施設を写真や動画だけ見て終わらせずに、必ずその施設の周辺環境や施設自体を⾒学をすることが大切です。
実際に見学することで、施設やスタッフ、入居者の様子や雰囲気も感じることで、ご自身に合う施設なのか判断しやすくなります。
サービス付き⾼齢者向け住宅がおすすめな⼈は
入居にあたって、おすすめしたい特徴の⼈は、60歳以上の高齢者、単身もしくは夫婦世帯、日常生活はほとんど自立しているが、生活上で不安を抱えないで生活したい、何か心身の不調がある時に相談したい方です。
特定型の施設であれば、24時間スタッフが常駐しているため、介護を必要とする方でも生活を送れます。看取りのサービスもあるため、最後の時まで安心して生活したいという方も入居できるのが特徴です。
高齢世帯で、他のご家族や親戚などが身近におらず、生活状況を把握できないため心配と感じているご家族で、両親の入居を検討される方です。
おわりに
サービス付き⾼齢者向け住宅とは、一般的に自立した高齢者世帯が安心・安全に暮らせる賃貸住宅です。
生活しやすいバリアフリー、必要な設備が完備されていますし、常駐スタッフによる安否確認サービス、日常生活相談サービスが提供されています。
居住者の希望に合わせて、施設によって準備されているオプションサービスの利用ができるので、高齢者世帯での暮らしに不安なく、豊かな生活を過ごすことができます。
そんな生活を過ごしたい方は、ぜひ検討の際にご参考ください。
参考記事
https://www.satsuki-jutaku.jp/doc/panfu.pdf
https://www.sagasix.jp/facilities/service.html
https://www.minnanokaigo.com/guide/type/sakoujyu/
https://www.cocofump.co.jp/articles/kaigo/32/
https://www.minnanokaigo.com/guide/cost/?gclid=CjwKCAjwp7eUBhBeEiwAZbHwkc-NqnKGFNiTnSzt66V0pF1F0R-_FEa9qMC8E-pxVfgMEhZPQxuEwxoCnwgQAvD_BwE